• ネガティブな感情に悩んでいませんか?ブログ「思考の余白」では、脳科学や心理学の知識をヒントに、小さな習慣で自分を好きになる思考法を発信しています。

    言葉の力

    vol.25 「言葉の力」で自己受容を創る:思考の整理と習慣化術
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    目次


    5年に1度、私には「ビックバン」状態が訪れる。

    叶えたい夢や目標で頭がいっぱいな時ほど、飲み会の締めはラーメンではなく「決意表明」だった。それを言えない飲み会には、行く意味がないとさえ思っていた。

    これは大人になってから手に入れた、私なりの「思考のハック」だ。

    今思えば、ただ流されるだけの日常に抗い、自分の本音を言葉にするあの時間こそが、私にとっての真の「思考の余白」だったのかもしれない。

    このブログを書きながら、あの頃の私と今の自分、その根底にある熱意が同じ温度であることを再確認して、ホッとしている。

    しかし、この胸の内にある熱い感情をどう表現すればいいのか、ずっとわからずにいた。 溢れる想いに、自分の語彙が追いつかない。言語化する術を持たないもどかしさは、それこそ何とも言えないものだった。

    そんな霧がかった日々の中で、私のこれまでの歩みを力強く肯定してくれる一冊の本と出会ったのだ。

    言葉が未来を創る:自己否定を避ける習慣

    その本とは、ゲイリー・ジョン・ビショップ氏の『あなたはあなたの使っている言葉で出来ている』である。タイトルからして、もう響く。

    この本には、「自分にどんな言葉をかけるかで、行動が変わる」と書かれている。
    自分に肯定的な言葉を使うことで、気分が良くなり、自信が増し、行動力まで上がる。シンプルかつ、とてもパワフルなメッセージだった。

    私は今まで、自分を信じることはできなくても、「自分にはできない」と思ったことはあまりなかった。なぜなら、自分を否定する言葉を、たとえ無意識下であっても自分自身に向けたくはなかったからだ。
    社会人になってからは、意識的に自分を奮い立たせる言葉を選び、積極的に使うようにした。

    例えば、「私はこう思っていて、これをやり遂げる。いついつまでにここまでやる必要があって、それをこのくらいのスパンで終わらせる。そのために頑張ります!」といったような感じだ。

    酔っ払いながらそう友人に宣言し、今までそれを全て叶えてきたつもりだった。

    周りからは「なんでそんなに頑張れるの?」と聞かれていたが、自分ではそれほど頑張っているつもりはなかった。私はただ、脳に「やる」と言い聞かせ、その通りに無意識に行動していただけだ。

    まさに、made in JIBUN。

    私という人間は、私自身が発する言葉という素材で組み上げられていたのである。


    脳の仕組み:プライミング効果とモチベーション

    私たちの脳は、自分が発する言葉を、誰よりも近くですべて聞いている。そして、その言葉の力をトリガーにして、脳は静かに、けれど確実に動き出す。 まるで、私の意図を完璧に汲み取ってくれる最高のパートナーのように。

    「どうせ無理」と言い続ければ、脳は「ああ、無理なんだな」と判断し、行動するためのエネルギーを止めにかかる。でも、「うまくいく」と語りかければ、脳は「じゃあ、どうしたらうまくいくか?」と動き始める。

    これは科学的にも証明されていて、脳には「プライミング効果」というものがある。プライミング効果とは、先に受けた刺激(言葉)が、その後の行動や思考に影響を与える現象のことだ。例えば、「赤」という言葉を聞くと、無意識にりんごや消防車、情熱といったイメージが頭に浮かぶように、私たちが発する言葉は、脳に特定のアクションを促すシグナルを送っているのだ。

    ネガティブな言葉は、脳に「危険」「停止」のサインを送る。すると、脳はリスクを回避するために、行動を起こすことをやめさせようとする。

    逆にポジティブな言葉は、「Go!」のサイン。
    脳は目標達成のために、新しいルートを探したり、必要な情報を集めたり、モチベーションを上げるためのドーパミンを分泌したりしてくれる。脳をあなたの味方につけることで、驚くほど簡単に思考も行動も変わっていくはずだ。この「言葉」による自己へのインプットは、あなたの潜在意識にまで影響を及ぼし、行動を後押しする土台となる。これが、私たちが無意識的に「自己受容」を築き上げていくための、最も基本的な仕組みなのだ。


    行動変容の鍵:知は力なりという哲学

    変われないと思っている人にこそ、気づいてほしい。脳の潜在意識を呼び覚ますのは、いつだって自分自身だ。自分の発する言葉が、あなたの未来を創っていく。誰かに言われた言葉ではなく、あなたがあなた自身に語りかける言葉で。

    子どもの頃、何かに挑戦しようとするときに、親や先生から「あなたならできる!」と言われた経験はないだろうか?あの言葉が、私たちに勇気を与えてくれたように、今度はあなたが自分の脳にとっての「親」や「先生」になる番かもしれない。

    あなたの「思考の整理」や「行動の習慣」は、すべて自分に語りかける言葉から始まっていく。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。 それは、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンが遺した、こんな言葉だ。

    「知は力なり。」

    この「知」は、知識だけじゃない。自分の心をコントロールする術を知ることだ。脳の仕組みを知って、それを味方につけること。そして、言葉が思考を変え、思考が行動を変えるという「知」こそが、真に人生を切り拓く力となる。

    あなたが今、「どうせ」「私なんか」という言葉を口にしているとしたら、それは本当に心から思っている言葉だろうか?もしかして、諦めるための言い訳にしているだけじゃないだろうか?

    もしそうだとしたら、少しだけ言い換えてみてはどうだろう。「どうせ無理だと思ってしまうが、考え方ややり方次第でうまくいくかもしれない」「私なんか無理だと思うけど、もしかしたら私なんかでもできるかもしれない」と。

    この意識的な「言葉の修正」こそが、ネガティブな思考パターンを断ち切るための正しい行動になる。