• ネガティブな感情に悩んでいませんか?ブログ「思考の余白」では、脳科学や心理学の知識をヒントに、小さな習慣で自分を好きになる思考法を発信しています。

    子育て

    Vol.01 プロローグ : 思考の余白
    Vol.01 プロローグ : 思考の余白 1024 1024 HAKU

    ※このブログは、2025年2月から私が自分を変えようと必死に向き合っていた時期のリアルな行動記録です。 自己肯定感は高いのに超ネガティブ思考という矛盾を抱えたまま、過去を振り返り試行錯誤しているため、話が急に小学生の記憶に飛んだりすることもあります。それも一つのリアルとして、楽しんでいただけたら嬉しいです。


    「最近幸せそうな人を見ると、その幸せを壊したくなるんだよね」

    この話を初めて友人にしたのは、確か2月の、暗く寒い日だった。
    その日は仕事が休みだったにもかかわらず、夜明けから腹痛で目が覚めてしまうほど体調が悪かった。なんとか朝のルーティンをこなし、子供を学校に送り出した後、胃の辺りをさすりながら近所の内科へと向かった。

    胃腸炎と診断され、薬を処方されたが痛みは一向に治まらない。
    原因が分からず、ただひたすらに前日の行動を振り返っていた。食事が原因じゃなかったとしたら、精神的なものかもしれない。そう思い、この数ヶ月の自分を改めて客観的に振り返ってみると、夫や仕事、子育てなど、身の回りのあらゆることに常にイライラしていたことに気づいた。


    毎日怒りに支配され、それを発散する何かを探している状態だった私は、自分自身に意識を向ける余裕なんて1ミリもなかった。

    そんな中、突然の激しい腹痛で、誰かの助けを借りなければいけないほど心細い状態になってしまった。ソファに横になりながら何となくLINEの友だちリストを眺め、子供がいない空間でゆっくり喋りたくて、一番仲の良い友人に電話をしていた。

    2時間ほど話しただろうか。会話の中で、私は冒頭の言葉を友人に言った。すると、彼女は静かにこう言った。

    「それって、幸せじゃない人が思うことだよ。」

    例えるならば、胃の痛いところにプロレスラーからエルボーを食らった感覚だ。「え?どういうこと?それヤバくない?」と、笑いながら精一杯のツッコミを入れたが、内心ものすごいショックを受けた。なにせ、20年来の付き合いで、どんな時も私の幸せを心から願ってくれるような彼女が、わざわざ残してくれた大切な言葉だ。

    その言葉は、そのままの意味だとわかっていた。この強烈なパワーワードが胸に突き刺さり、窓から見える晴れた空が、一瞬にして土砂降りになりそうな雲の色に変わっていくように見えた。

    この話をブログに書いたのは、彼女を悪者にしたいからじゃない。
    むしろ「彼女は私のために悪者になってくれたのだ」と、今この文章を書きながら、自然と涙がこぼれてきた。


    過去の私は、自分自身を信じることができなかった。
    毎日身勝手な感情に振り回され、些細なことでイライラし、周囲の誰かに冷たく当たってばかりいた。原因は自分だとわかっているのに、問題に向き合いたくなくて毎晩のようにアルコールに逃げていた。その結果、自分でも手に負えないほど最低な状態に陥っていた。

    定期的に来る負の感情もあった。仕事も家族も周囲の全て、みんな嫌い。ライフル銃を抱えて、手当たり次第そこら中打ちまくる。怒りが暴走すると、そんな風に周りが敵だらけに見えてしまうのだ。その結果、さらに自己嫌悪を募らせ、自分の首を絞め続けていた。沼にどっぷりハマるというより、浸かった状態で周りの様子をみながら、自分がいつでも戦闘体制になれる準備をしているタチの悪い人間だった。


    最初、友人から言われた言葉の真意が理解できなかった。
    私は周囲から「HAKUはいつもちゃんとしているよね」「しっかりしてるわ」「大したもんだ」と言われて育ってきた。ネガティブな言葉をかけられた経験がなかったため、周りの暖かい目や肯定的な言葉から、何の疑いもなく自分は幸せな人間だと勘違いしていた。しかし、現実はそうではなかったようだ。

    もし「あなたの人生のターニングポイントは?」と聞かれたら….
    鬼の速さで林修さんのモノマネをして「この時でしょ!」と叫ぶだろう。

    彼女の一言をきっかけに、私は心の中で問いかけ始めた。
    「私にとって、本当の幸せって一体何なのだろうか。」

    私の思考や行動が動き始めたのは、まさにこの瞬間からだ。答えのない問題を解き続けるような、正解や出口のない場所にいる夢を見ているようだった。向かう先が全然わからなかったにもかかわらず、不思議と怖くはなかった。


    そこから、私の「幸せ探し」が始まった。
    数ヶ月間、進路に悩む高校生のように、自分に合うものは何かを探し続けた。脳科学、認知行動療法、人間心理に関する動画や本を読みあさって得た知識を、日々の生活で試した。学んだことをノートに書き写したり、小さな目標を立てて達成感を味わうトレーニングも行った。すぐには効果を感じられなかったけれど、継続するうちに、心の景色に少しずつ変化が現れ始めた。

    私はバカなのではなく無知であったことを理解し、自分を責めることをやめた。
    そして、運動が脳に良いことを知り、筋トレやランニングを始めた。
    さらに、ドーパミンの「光と闇」を知り、お酒との付き合い方や考え方を変えた。
    そして、早起きを習慣にして、朝のゴールデンタイムを学びの時間に充てた。

    この小さな行動の一つひとつが、結果として、私自身にとても大きな変化をもたらした。


    約一年間の行動を続けた結果、大切なことに気づいた。世間の基準ではなく、自分の心の声に耳を傾け、目標に向かって行動し、日々成長を感じること。この方法こそが、人を幸せにする唯一の道なのだとわかった。

    以前の私は、ネガティブな思考でいつも頭の中がパンク状態だった。しかし学びと実践を繰り返すうちに、少しずつそのモヤモヤが解消され、心に「思考の余白」が生まれてきた。

    その余白こそが、新しいアイデアが生まれたり、予期せぬ発見があったりする大切なスペースなのだ。だからこそ、「思考の余白」を持つことで、私たちはもっと広い視野で物事を捉えられるようになる。感情に無鉄砲に反応するのではなく、一呼吸置いて、より賢い選択をすることができるようになるのだ。


    このブログでは、昔の私のように「変わりたいのに変われない」と悩んでいたり、自信を持てずにいる人へ、私の実体験から見つけた「思考法」や「行動のヒント」をシェアしていきたい。

    脳科学に基づいた思考の整理術、幸せを感じられる小さな習慣、そしてモチベーションを継続する方法。これらの知識が、あなたの人生をデザインしていく上での、ガイドラインになれたら最高に嬉しい。

    いくつになっても遅くはない。 変われる方法は、たくさんあるから大丈夫。

    未来は、あなた次第でまだまだ広がっていく。その先に広がる世界は、きっと想像以上に素晴らしい。自分を信じるという軸に基づき、幸せを感じ続けられるような毎日を歩んでいくことができるだろう。その軸を裏付ける仕組みをこのブログで発信していく。ぜひ、これからのあなたの成長へと役立ててほしい。

    vol.16 「ネガティブ思考」は伝染する?人間関係の断捨離とメタ認知術
    vol.16 「ネガティブ思考」は伝染する?人間関係の断捨離とメタ認知術 HAKU

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    歳を重ねると、自虐的な発言や、人を小馬鹿にして笑いをとる人が増えているように思う。

    クリニックの受付では、会計を済ませずに帰ろうとする高齢者に「すみません、お会計がまだです。」と声をかけると、「ボケてきちゃって嫌ね」「頭が悪くてごめんなさいね」と返す人が多かった。検査室では、難聴の高齢者の付き添いの人が「この人耳がほとんど聞こえていないから、検査は適当でいいですよ」などと笑いながら言うこともあった。

    どちらのケースも愛想笑いにとどめ、基本はスルーと決めていた。

    正直に言うと、ボケてきた、頭が悪いなどと自分で言う人に対して「そんなことないですよ」と持ち上げるのも面倒であり(本人はそう言って欲しそうな顔をしているが)、難聴者の付き添いにまで気を遣うのは手間なので、そういった相手には極力時間をかけたくなかった。

    この頃から徐々に、「人のネガティブな感情を極力受け取りたくはない」という思いが強くなっていった。医療機関という特殊な場所柄もあるけれど、一見エネルギッシュに見える人であっても、ふとした瞬間にネガティブな本音が見え隠れする。

    そんな空気に包まれて仕事をする中で、私の心には次第にモヤモヤが溜まっていくようになった。

    脳の仕組み:ネガティブ思考の増殖

    思考の質は、人生の質を左右する。

    そう確信したのは、行動を続ける中で、私自身の過去と長く向き合ってきた経験があるからだ。以前はネガティブな考えに囚われ、自分を信じることができなかったのだが、脳の仕組みを理解することで、何とかそのループから抜け出すことができた。しかし、自分を変えるには内面だけでは不十分だと途中で悟った。なぜなら、周囲の環境が思考に与える影響の大きさを知ったからだ。

    佐藤 伝氏の『なぜかうまくいく人のひみつの習慣』によると、人間の脳は一日に約5000ものことを考えており、その約9割はネガティブな内容だという。プラス思考はわずか1割程度しかない。さらに、このマイナス思考には増殖していくという特徴があるらしい。

    しかし、良いニュースもある。プラスの言葉を口にすると、このマイナス思考の増殖をストップさせることができるというのだ。

    それを知ってから、私は仕事中に嫌な感情が湧いた時、「まぁまぁまぁ」「気にしない気にしない」「オッケーオッケー」とポジティブな言葉を繰り返し、小さな声で呟くようになった。一見、怪しい人に見えるかもしれないが、これが自分にとっては非常に効果的だった。感情に支配される前に、自分でコントロールする術を身につけたのだ。

    だが、そのコントロールがうまくいかないことも多々あった。その原因は、職場の同僚による日常的なネガティブな発言だった。

    ストレスを映し出す環境の危険性

    ある同僚は、スタッフルームに入ってきて早々、「疲れた」「眠い」と毎朝言うのが口癖だった。同じく子育て中の身なので、朝から大変なのは理解できる。しかし、まだ仕事も始まっていない状態で、毎日そのネガティブな言葉を聞くことが、私にとって非常に大きなストレスに感じるようになった。

    心理学の研究では、ネガティブな人との会話後、参加者のストレスホルモン(コルチゾール)のレベルが上昇したというデータが報告されている(参照)。これは、脳がその人物を「危険な存在」や「ストレス源」として認識し、自然と距離を置こうとする防衛反応だと考えられる。

    職場で唯一飲みに行くほどの仲だったからこそ、自分の都合で離れていくことに、どこか身勝手な申し訳なさを感じながらも、私は少しずつ彼女から距離を置くことにした。 自分の思考を守るためには、今、この物理的な距離が必要だと判断したのだ。

    人間関係の質と自己成長

    そんな時期に、エミチカ氏の『結局、「手ぶらで生きる女」がうまくいく モナコの大富豪に学んだ、自由に生きる57のヒント』という本を読んだ。そこで、人生を豊かに生きる上で大切なことを再確認した。それは「人間関係は、量より質を大事にする」という事だ。運やツキを掴みたければ、長く付き合いたいと感じる人とだけ全力で関係を築くこと。そして、どんな人と付き合いたいかのイメージを強く持つことが重要だという。周りの人の考えは、自分に映る鏡なのだ。

    どんな人と時間を共にするかによって、良くも悪くも自分自身が引っ張られてしまう。これは本当にその通りだと思う。「疲れた」「できない」「だって」「どうせ」といった思考で頭の中がいっぱいになっている人といると、こっちの気分まで落ち込む。自分が前向きに変わろうとしているタイミングなら、なおさら聞いていられない。

    冒頭で話した患者さんの件も同様だ。自分を下げて笑いを取ろうとする人や、人を小馬鹿にするような人たちとは、一線を引くべきだと感じた。

    断捨離の勇気:ストレス源からの解放

    加藤 俊徳氏の『なぜうまく行く人はひとり言が多いのか』という本にも、似たようなことが書かれていた。「ネガティブな独り言を言うと脳の働きが悪くなる。マイナスな言葉を呟いている友人や親からは距離をおいた方がいい」と。

    ネガティブな思考には、もう二度と引っ張られたくなかった。昔のように彼女と親しい関係を続けるのは難しいと感じ、この一年間プライベートな誘いをすることは一度もなかった。かつての楽しかった時間を思うと胸の奥がチクリと痛むけれど、 それは今の自分をキープするための、私なりの切実な決断でもあった。

    自分を変えるためには、行動だけでなく、環境を選ぶことも大切な選択の一つだ。人間関係も同様に、自分の人生にとって最適なものを選び抜くべきなのだ。自分の成長を阻害するような人間関係は、思い切って手放す勇気を持つべきだ。それは冷たい行為なのではない。自分の可能性を信じ、未来を切り拓くための、賢明な選択なのだ。

    習慣化の鍵:「5人の法則」で人生を彩る

    自分を大切にすることは、心地よい空間と前向きな人を選ぶことにも繋がる。それは、あなた自身の幸せだけでなく、あなたが出会う人々にもポジティブな影響を与える。自己成長を願うなら、まず身の回りの人間関係を見直してみよう。そして、あなたが心から「この人と共に成長したい」と思える人との関係性を大切にしてほしい。

    自分の思考の傾向を理解し、ネガティブな独り言をコントロールする。そして、付き合う人を選ぶ。このシンプルな二つの行動が、あなたの人生を根本から変える力を持つ。それは生まれ持った性格や運命ではなく、あなたが意識的に選択できるものなのだ。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    これは、哲学者ジム・ローンが遺した言葉だ。

    「あなたは、最も多くの時間を過ごす5人の人間の平均である。」

    これはとても有名な言葉なので、知っている人も多いはずだ。
    あなたの人生の質は、あなたが共に過ごす人々によって形作られる。より良い自分へと成長するために、今日、あなたの周りの「5人」を意識的に見直すことから始めてみてはどうだろう。それが、あなたの人生の軌道を好転させる確かな行動である。

    vol.21 「睡眠負債」が招く感情の乱れ:自己受容を高める運動習慣
    vol.21 「睡眠負債」が招く感情の乱れ:自己受容を高める運動習慣 150 150 HAKU

    私自身、かつて慢性的な睡眠不足に陥っていた。
    運動習慣がなかった頃は、ベッドに入っても2〜3時間眠れず、夜中に何度も目が覚めるのが当たり前。子供が大きくなっても、風邪やアレルギーで、鼻が詰まったり咳き込む音に神経を尖らせてしまい、眠りたいのに眠れない日々が10年以上続いていた。

    夜中に目が覚めると、昼間の失敗が頭を占拠し、心臓の鼓動が耳元まで響く。 夢の中でさえ仕事に追われ、出口のない閉鎖空間を彷徨うような悪夢。そして、休まる暇もなく残酷に朝はやってくる。

    その結果、私の心は常に限界まで張り詰めていた。 今思えば、それが睡眠不足のせいなのか、生理前の揺らぎなのか、あるいはその両方だったのか。

    正体のわからないイライラに振り回され、些細なことで声を荒らげ、物に当たってしまう。そんな醜い自分を直視するのが怖くて、夜のお風呂で声を殺して泣くのが、当時の私の精一杯の浄化だった。子供に辛く当たり、感情の矛先をモノに向けてしまう自分。 そのすべてを自分の弱さのせいにしていたあの頃は、ただ涙を流すことしかできなかった。

    自己嫌悪からの脱却:睡眠不足と脳のゴミ

    そんな最悪な毎日から抜け出すため、私は脳科学の知識をつけ、お酒の回数を減らし、運動習慣を取り入れた。すると、ある変化が起きた。ぐっすり眠れるようになったのだ。夜中に目が覚める「中途覚醒」が減り、気づいたら朝だったという日が徐々に増えていった。

    以前は、子どもを寝かしつけた後、眠れないのでスマホや動画を見るのがルーティンだった。しかし、運動を始めてからは身体が疲れているせいか、一緒に寝落ちすることが増えた。今まで2〜3時間かかっていた入眠時間が、大幅に短縮されたのだ。

    ある日、子どもから「最近、朝いつも優しいね」と言われた。その言葉は、私に大きな喜びを与えると同時に、深い罪悪感も与えた。自分が眠れていないことで、周りにどれほどネガティブな影響を与えていたか、ハッとさせられたのだ。今まで感情をぶつけてきたことを思い出し、胸が締め付けられる思いだった。

    脳科学が示す真実:睡眠負債が引き起こす認知機能の低下

    なぜ、私は自分をコントロールできなかったのだろう?その答えを、脳科学から学んだ。

    加藤 俊徳氏の『脳の名医が教える自己肯定感』という本によると、7時間以上の睡眠が推奨されている。ジョンズ・ホプキンス大学の研究では、「6時間以下」の睡眠の人たちが、最も老廃物が脳に溜まっていたという。つまり、睡眠不足は脳の清掃不足を引き起こし、思考がゴミで溢れてしまうのだ。

    さらにオックスフォード大学の研究では、長期的な睡眠不足が脳を収縮させるという結果が出ている。そして、脳が収縮するとさらに睡眠の質が落ち、より脳が縮んでいくという悪循環に陥るらしい。

    この事実を知ったことで、私が感情をコントロールできず考え方を変えられなかったのは、意志の弱さの問題ではなく、頭の中がゴミで溢れ(睡眠不足やストレスによるネガティブ思考、ワーキングメモリの過負荷など)、脳のパフォーマンスが低下していることも原因であることがわかった。私はこのゴミの山を、少しずつ排除することを決意した。

    運動習慣と体温変化:睡眠の質がもたらす行動変容

    眠りに焦点を当て、脳のゴミを捨てて、余白を作り出すために意識と行動を変えていくことにした。眠れるようになると、朝の思考がクリアになり、穏やかな気持ちで一日を始められる。これは、単に気分が良いだけでなく、日中のパフォーマンスに直結する。睡眠という基本的な行動が、私の自己管理能力を飛躍的に高めてくれたのだ。

    運動と睡眠の質の研究から、定期的な有酸素運動が入眠をスムーズにする効果は実証済みだ。メカニズムの核心は、運動後の体温変化にある。運動で一度深部体温を上げると、その後、熱を放出しようとして体温が急激に下がる。この急降下が入眠を促すトリガーとなる。実際、運動習慣がある人は、寝付きにかかる時間が短くなるというデータは多数存在する。

    さらに、アメリカ国立睡眠財団が支援した研究では、定期的に運動を始めた不眠症患者は、そうでない患者に比べて「睡眠の質が改善した」と答えた割合が約65%も高かったというデータがあるのだ。

    自己受容への投資:行動変容の第一歩

    私たちは、外部の刺激や環境に反応するだけの存在ではない。
    自らの内側、特に脳の仕組みを理解することで、より良く生きるための戦略を立てることができる。感情の波に飲まれるのではなく、その原因と向き合い、根本から解決する。質の高い睡眠を確保することこそ、その戦略の土台となる。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    これは、古代ギリシアの哲学者ソクラテスが遺した言葉だ。

    「世界を動そうと思ったら、まず自分自身を動かせ。」

    睡眠という、まず自分が動かすべき土台を整えること。そして、運動という行動があなたの脳のゴミを清掃し、自己受容を高める。健康的な脳こそがあらゆる成長の基盤であり、どんな困難な状況にあっても冷静に思考し、最適な判断を下すための不可欠なツールとなるのだ。

    vol.27 仕事と育児に追われるあなたへ。脳のゴールデンタイムを見つける方法
    vol.27 仕事と育児に追われるあなたへ。脳のゴールデンタイムを見つける方法 HAKU

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    「時間がない。」

    「自分の時間」なんて、今の私には夢のまた夢。 子育てや仕事に追われ、そう諦めていた私でも、この数ヶ月で人生を変える習慣を見つけることができた。

    それは、朝に時間を「創る」こと。 最初から完璧を求めたわけじゃない。何度も試して、ようやく私にとって一番心地いい「朝4時」という時間を見つけ出したのだ。

    夜9時にはベッドに入り、朝4時に起きる。

    たったこれだけのシフトで、私の日常には驚くほど穏やかな余裕が生まれた。

    時間の作り方:朝のゴールデンタイムを「見つける」思考法

    「時間がない。」が口癖になっていた頃、私は少しずつ変わろうとしているタイミングだった。そんな私は時間を少しでも作ろうと、家事の効率を上げたり、移動時間を減らしたり、必死になってスキマ時間を探していたが、いつも何かに追われている感覚から抜け出せなかった。

    しかし、ある時、考え方が180度変わった。
    時間は誰かに与えられるものでも、苦労して捻出するものでもない。すでにある時間の中から、自分の意志で「見つける」ものなのだと悟った。

    その答えが、朝だった。子どもが寝静まり、夫も眠っている早朝。誰にも邪魔されない、私だけの静かで穏やかなひととき。

    この静寂こそが、私にとっての「思考の余白」だった。誰のためでもない、自分だけの時間。その価値を、私は今まで知らなかったのだ。この自己投資の時間こそが、日々のイライラを解消する武器となった。

    脳科学が証明する朝活の力と感謝の習慣

    「早起きのメリット」は、科学的にたくさん証明されている。
    私が何より実感したのは、ストレスが減ったことだ。これはもう、お金では買えない価値だと悟った。

    リチャード・カールソン氏の『小さいことにくよくよするな』という本を読んだ時、「人間はどれだけ忙しくても、毎日自分の時間を取らないと不満を感じる生き物だ」といった内容に、深く納得した。朝の2時間が、まさにその不満を解消してくれる余白の時間になっていたのだ。

    また、朝は脳が一番クリアな状態だと脳科学でも言われている。朝起きてから3時間は、脳のパフォーマンスが最も高い「ゴールデンタイム」である。この時間に何をインプットするかで、その日の集中力や生産性が決まる。

    さらに、ひすい こたろう氏の『人生が変わる朝の言葉』には、「朝起きると時間を有効に使えるようになって、人生の目的が明確になる」と書かれている。まさにその通りで、朝の時間は私に心のゆとりと、次にやるべきことを明確にしてくれた。

    毎日、世界では10万人以上が亡くなっているという。
    そんな中で、目が覚めて一日をスタートできるのは、奇跡のようなことだ。そう思うようになってから、朝早く起きること、そしてその時間で何をやるか目的を決めること、そして毎日感謝して起きることを習慣に取り入れた。感謝の気持ちで一日を始めると、その日一日がポジティブな気持ちで過ごせるようになった。

    「なんとなく」から「本気」へ変わる習慣化戦略

    仕事と育児を両立する中で、自分の時間を作るなら朝しかない。やらなければいけない家事ではなく、自分にとって意味のあることに朝の時間を使いたかった。

    最初は漠然とした目的だったと思う。5分のストレッチが習慣化した後に、運動、脳科学、朝の習慣など興味のあることをひたすらノートに書き込み、調べてインプットし続けた。

    しばらくすると、この「なんとなく」の行動がだんだん「本気」に変わっていった。朝勉強しないと、なんだか一日が物足りなく感じてしまい、「ちょっとでいいから勉強しようかな」と、体が突き動かされるようになった。

    なぜ、これほどまでに続けられたのか。 それは、朝を義務ではなく「純粋な楽しみ」として、最優先の予定に入れていたからだ。

    寝る前に「明日の朝に楽しむリスト」を予約しておく。 「第1位、2位、3位」と順位をつけ、ワクワクしながらリストを書き出す。

    「明日の朝、これが待っている」 そう思いながら眠りにつくことで、朝、布団から出るのが「辛い行為」ではなく、「楽しみへの入り口」へと変わったのだ。

    楽しみがあるから朝起きられる、起きる目的があるから毎日続く。
    行動と習慣の作り方は、誰かに教えてもらうものではなく、結局のところ自分の中にしか答えがない。

    この「楽しみ」を仕込む戦略こそ、行動経済学における「プロスペクト理論」の応用だ。人は損失回避を強く望むため、寝る前に「楽しい時間」という報酬を確保しておくと、朝寝坊による「報酬の損失」を避けようと体が自然と動くようになる。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    それは、フランスの哲学者ベルクソンが遺した、こんな言葉だ。

    「行動は、思考を形にし、習慣は、その行動を不動のものにする。」

    「時間がない」と悩んでいるなら、まずは自分のための時間を「見つける」ことから始めてみてほしい。それが次第に習慣となり、やがてその時間がとても有意義なものへと変わるはずだ。

    vol.34 「一人になりたい」の裏にある真実:不幸の反転でウェルビーイングを見つける方法
    vol.34 「一人になりたい」の裏にある真実:不幸の反転でウェルビーイングを見つける方法 HAKU

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    「1人になりたい」

    大型連休や長期休暇が来るたびに、私はずっとそう強く願ってきた。家族との旅行や外出を楽しむよりも、ただ一人で静かに過ごしたい。その欲求が人一倍強いことを、半ば逃れられない性分のように自覚していたのだ。

    旅行に行くとなれば、夫は直前まで仕事に追われ、子供の荷造りから帰宅後の大量の洗濯、荷解きまで、そのすべてが私の肩にのしかかる。

    さらに、結婚前から10年以上続く夫の大音量のいびき。扉扉3枚分も離れた部屋に寝ているはずなのに、耳栓越しに聞こえてくるその騒音のせいで眠れず、イライラを募らせることは今の家に引っ越してからも日常茶飯事だ。

    旅行先ともなれば、そんな大音量のいびきを真隣で聴かされることになる。最高に嫌な気分で朝を迎え、一日中イライラして過ごす時間は、もはや休息ではなくただの「罰ゲーム」でしかなかった。

    せっかく旅行に行っても、私だけ休めない。
    どこへ行っても、私だけがイライラしている。
    そんな旅行なら、行かない方がいい。

    私がイライラしてしまうことで、家族との思い出を壊してしまうくらいなら、最初から旅行を避けるべきだと判断するようになった。

    そのため、基本的には長期休暇などは、夫の両親や兄妹、従兄弟たちと水入らずの旅行を楽しんできてもらうことにしている。こういう時の私は、心なしか哀愁が漂う顔をしつつも、心の中はニッコニコで夫と子供を車まで見送っていたのだった。

    「一人になりたい」という不満の正体

    「家族旅行は嫌」――そんな風に考える人は、きっと私だけではないだろう。

    温泉では子供の目が離せないため、ゆっくり入ったことは家族旅行で1度もない(サウナなんて論外だ)。帰宅後はというと、荷解きと山積みの洗濯物が待っている。せっかくのリフレッシュのはずが、結局は別の何か(労働)にすり替わっているような感覚だった。

    旅行から帰った日は、決まって疲れとイライラで心がいっぱいになり、余裕がない。
    楽しかったはずの記憶も、帰宅した途端に「疲労」で黒く塗りつぶされてしまう。だから、私はいつも「一人になりたい」と心の中で叫んでいた。家族に「旅行に行こう」と誘われるたびに、面倒くさいという気持ちが先行し、「仕事で忙しい」だったり「あなたのいびきがうるさくて眠れないから無理」と言い、毎回断り続けた。

    カナダの研究が示す、ウェルビーイングと時間の要求

    だが、私が感じていたこの「一人の時間」への渇望は、多くの母親が共有するウェルビーイング(幸福)を維持するための、科学的な要求であることがわかった。

    長時間、育児やタスクに集中すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが上昇し続ける。この状態が慢性化すると、脳は思考力を維持できなくなる。そのため、誰にも邪魔されない休息時間は、脳の機能を正常に戻すために不可欠なのだ。

    カナダの親を対象とした調査データによると、母親の半数以上(50%超)が「もっと一人で過ごす時間が必要だ」と報告しているのに対し、父親ではその割合が約3分の1にとどまった。母親が育児や家事にかける時間が増えるほど、「一人でいる時間」への欲求が高まることが示されており、これは単なる個人の感情ではなく、脳機能を維持するための資源として切実に必要とされていることを示している。

    このデータを知って、私は安堵した。自分の疲労を回復させ、脳に「思考の余白」を取り戻すための、極めて人間的な欲求だったのだと論理的に理解できたからだ。

    ちょうどその頃、全力で一人になろうとしていたお盆休みがあり、星 渉氏の『99%は幸せの素人』という本を読んだ。その中に「絶対になりたくない不幸な状態を書いてみる」という、ユニークな思考実験が紹介されていた。

    思考実験:絶対になりたくない不幸の反転

    正直に言うと、最初は「?」だったが、物は試しと思い紙に書き出してみた。

    • 仕事を嫌いになること
    • 忙しいこと
    • 太っている状態
    • 一人になること

    このリストを見て、私は心底驚いた。いつも「一人になりたい」と願っていたのに、絶対になりたくない不幸な状態に「一人になること」が含まれている。これはどういうことだろうか?自分の内面が完全に矛盾していることに気がついた。

    私は、家族が自分から絶対離れないと勝手に思い込んでいたのだ。だから、偉そうにしたり怒りを撒き散らし、ぞんざいな扱い(特に夫に対して)をしても、平気な顔をしていた。しかし、もしそんな私にうんざりして、家族がいつか離れてしまったとしたら?

    そんな状態に私は耐えられるはずがなく、心底後悔することだろう。
    この事実に気づいた途端、もの凄く怖くなった。

    本によると、この「絶対になりたくない不幸な状態」を反転させると、自分が本当に求めている「幸せな状態」がわかるらしい。

    • 仕事が嫌いなことが嫌→ 仕事を楽しめるように工夫すること
    • 忙しいのが嫌 → 時間の使い方を工夫すること
    • 太っているのが嫌 → 筋トレやランニングで引き締まった身体を作ること
    • 一人になるのが嫌 → 家族と一緒にいること

    これが自分にとっての幸せであり、取るべき行動なのだと、明確な答えが出た。これは、目標や課題(イシュー)を定めるのとはまた違う、自分の本心にたどり着くためのアプローチである。

    メタ認知:本心と行動が導く自己受容

    この気づきを得て、私は自分の行動を反省した。

    私にとっての幸せは、一人になることではなく、家族と過ごすことだったのだ。

    もちろん、たまには一人の時間を作ったり、遠方ではなく近場を選んで旅行するなど、自分の負担を減らすことも必要だ。宿泊時にいびき対策として部屋を二つおさえるといった工夫は、自分を守るための必要な行動である。しかし、「心まで家族から離れてはいけない」と痛感した。

    この経験を通して、私は大きな真実を発見した。自分が本当に欲しているものは、不満や怒りといったネガティブな感情の奥に隠されている。これは、私たちが「メタ認知」の視点を持つことで初めて発見できる真実なのだ。感情的な「一人になりたい」の裏には、論理的な「一人になるのは怖い」という、より深い本心が隠れていた。

    家族がいてくれる安心感に甘えて、わがまま放題だった私は、この理由に気づいた時、自分の身勝手さが恥ずかしくなったのだった。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    古代ギリシアの哲学者ソクラテスが残した言葉だ。

    「真実を見つける唯一の方法は、自ら探求する旅に出ることである。」

    誰かから教えられるのではなく、自分自身で探して初めて、本当の答えにたどり着くことができる。 もしあなたが「何か」に不満を抱いているなら、その不満を紙に書き出してみてほしい。そして、その感情を反転させてみよう。

    あなたの「絶対になりたくない不幸な状態」は、なんだろう?
    それを反転したら、思いも寄らない真実が、心の奥底の扉が開かれたかのように見えてくるかもしれない。

    vol.47 キャリアの危機感をチャンスに変える「船の乗り換え」戦略
    vol.47 キャリアの危機感をチャンスに変える「船の乗り換え」戦略 HAKU

    帰郷後、私は派遣社員として地元の総合病院に勤め始めた。

    配属先の仕事内容は、コロナ関連部署での検査と事務対応だった。通勤時間が30分以内という好条件に加え、総合病院を選んだことで、両親にも「病院で働く娘」として安心してもらえた。当初は大した資格も持っていないのに、「大きな船に乗れてよかった」と、心から安堵を感じていた。

    コロナ号が沈む:危機感がメタ認知を覚醒させた瞬間

    総合病院に派遣社員として入職し、しばらくたった頃に、在職中のコロナ部署が2ヶ月後に終わるかもしれないという話を上司からされた。派遣会社との契約は3ヶ月更新。コロナ部署の終了は、規定外のタイミングとなってしまった。

    幸い、別の部署への配属が提案され、即座に職を失う事態は避けられたが、私の中にあった微かな懸念は、確信に満ちた「危機感」へと変わった瞬間でもあった。

    年末の休みに入り、世間がお休みモードへと変わる中、私は家で転職サイトにかじりついていた。初夢さえ覚えていないほど、頭の中は「次の一手」で埋め尽くされていた。

    この差し迫った危機感こそが、私のメタ認知を強制的に覚醒させた。
    沈みゆく船に乗っている自分を客観視し、溺れる前に次の岸を目指す。生存本能に基づいた、冷徹で素早い判断の始まりだったのだ。

    船の切符:学ぶ力と資格が証明する努力の価値

    岡崎 かつひろ氏の『お金に困らない人が学んでいること』という本に、「学ぶ力がある人が生き残る」と書かれてあり、まさにその通りだと実感した。沈む船から別の船へ乗り換えるためには、自分が有能であることを証明する「切符(カード)」が必要であり、私にとってそれは「資格」だった。

    「私は自分で目標を立て、努力し、それを達成できる人間です」。面接という名の交渉の場で、そう堂々と宣言するための証拠が欲しかった。私は子育ての合間を縫って、病院実務に直結する2つの資格を数ヶ月で取得することに決めた。学びに対する娘の本気の姿勢を見た父は、あの頃よくこう言っていた。「HAKUが勉強しているの、今まで見たことがない」と。そのくらい、自分でも学びを得たいという気持ちで、自発的に何かを学ぶことは人生で初めてだった。

    最終的に総合病院から、現在のクリニックという船に乗り換えることができた。 私の行動の素早さと学ぶ力が、良い方向に傾いた満足いく結果となった。派遣という更新が必要な業種と、コロナという異例の部署が、私の行動をよりスピーディーにさせてくれたのだろう。

    私は「ここまでは絶対に成し遂げる」と期限を設けると、集中力が極限まで高まるようだ。今回のこの差し迫った危機感は、私に「生きるか死ぬか」のような強烈な目標を与えてくれたのだ。

    その目標に向かって進んだ努力のプロセスこそが、知識や資格以上に、私にとっての揺るぎない自己肯定感の確かな土台となった。

    行動経済学:変化できない者が失うコスト

    同じ部署で、沈みかけている船に同乗していた年上の女性がいた。
    私とは対照的に、その人はこちらが焦る状況でも、かなりのんびりしている様子だった。部署がなくなることは同時にわかっていたにも関わらず、彼女は何も行動を起こさなかった。同時期に契約終了となった数週間後、会社から契約を打ち切られたと連絡が来た。

    彼女はメールで「世知辛い世の中だ。」と言っていたが、本当にそうだろうか。

    自ら動かず、現状維持こそがリスク回避だという様子で、昼の休憩中パンをかじりながらスマホを楽しむ彼女を常に見ていた。そのため、私は全く同情できなかった。徹底して受け身の生存戦略を選んだ者に伝えられた、担当者の最終回答が「契約打ち切り」という現実を目の当たりにした。

    生きていくための変化は、明らかに自分のためだ。誰かになんとかしてもらおうと待っていても、結局何も起きない。だからこそ、自分で行動しなければいけない。いつ何時だって、思っていたことと異なる困難が人生に何度もやってくる。そんな時に、船を乗り換えられるような思考や行動を、常に持ち続ける必要があると知れたのだ。

    私のように、期限付きの特殊な環境で働く人や、現状に疑問を感じる場所にいる人は、今すぐにでも次のキャリアへ移るための「切符(資格やスキル等)」を作る戦略を立てた方が良いだろう。自分には何が足りないか。次のステージで何を活かせるか。学ぶことで人生の解像度を上げ、ピンチを飛躍のバネにしていかなければならない。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    イギリスの自然科学者、チャールズ・ダーウィンが遺した言葉だ。

    「強いものが生き残るのではない。変化できるものが生き残るのだ。」

    現代社会を生き抜くための、行動経済学的な真理である。
    変化を恐れず、常に切符を準備する必要がある。その切符(資格やスキル)とは、他者に依存しない「学ぶ力」と「変化を読み行動する力」によって裏打ちされるものである。変化し続ける勇気こそが、あなたの人生の大きな資産となるだろう。