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    vol.36 40代への投資 : 時間の使い方と家族との黄金時間

    vol.36 40代への投資 : 時間の使い方と家族との黄金時間 HAKU

    目次


    10代の頃に「20代の頃にしておきたい17のこと」を読み、20代では30代版、そして今、30代の終わりに「40代にしておきたい17のこと」を読み終えた。

    振り返れば、これまでの私は文字通り「今」を生きていなかった。頭の中は常に先の未来を読み、不安を先回りさせていた。それなのに、実行に移す勇気はなく、多くの時間とお金を無駄にし、東京の街で大した経験も積まずに遊び呆けていた。「あの時、もっとちゃんとしていれば」。そんな後悔が頭をよぎることもある。

    けれど、ふと思うのだ。 当時の私は、今ほど高いモチベーションや明確な目標を抱けるほどの「器」ではなかった。

    あの時の私には、あの生き方が、あの選択が、精一杯だったのだ。

    過去は変えられない。 過ぎ去った時間を惜しむよりも、その未熟だった自分さえも「必要なプロセス」だったと抱きしめてあげたい。

    器が足りなかった過去を認める強さを持てた今、私はようやく、40代という新しい器を、自分の意志で、自分の意志で、より鮮やかに描き出していける気がしている。

    過去の呪縛を断つメタ認知:DMNと「しょうがない」

    「あの時」の後悔の念に囚われるのは、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」が活発になっている証拠だという。DMNは、脳が休んでいるときに過去の反省や未来の不安といった思考を巡らせる機能だ。しかし、過去は変えられない。だからこそ、その思考のループから意識的に抜け出すメタ認知が大切になる。

    私は過去の自分を「しょうがない」と受け入れた。

    これは諦めではなく、当時の自分には今の情熱が備わっていなかったことを冷静に認める戦略的受容なのだ。そうすることで、過去への後悔に費やされていたエネルギーを、すべて「今」と「未来」に振り向けることができる。

    過去を肯定し、思考を「実行モード」へ切り替える。この土台があって初めて、新しい習慣を受け入れるための「思考の余白」が脳内に生まれるのである。

    40代への自己投資:健康と時間の価値

    「40代にしておきたい17のこと」から抜粋した、今の自分にできていることがある。

    本「40代にしておきたい17のこと」から、今の私が全力を注いでいるテーマがある。それは「健康と時間への投資」だ。40代からは生き方の差がはっきりと外見に現れる。顔のたるみ、シワ、体型。これらはすべて、これまでの生活習慣や人間性が蓄積された「人生の履歴書」のようなものだ。

    生き方が表情に表れるからこそ、健康への投資は未来の自分という「資産」を育てる行動経済学的なアプローチと言える。朝の運動で分泌されるセロトニンがストレスを軽減し、内面的な安定をもたらす。この地道な努力が、40代以降の「表情の明るさ」という形で見事に還元されるのだ。

    自己投資は早く始めた分だけ、そして年齢が上がるほどそのリターンは大きくなる。私は今、未来の自分のために最も価値ある資産を積み立てている最中なのだ。

    家族との時間:経験への温かい投資

    もう一つ、本から学んだ大切なこと。
    それは、「家族と繋がる最後の10年を大切にする」ということだ。

    この本を読むのが遅かったこともあるが、私の場合はあと5年と考えた方が良さそうだ。私は母親が35歳の時に産んだ子なので、両親ともに同じ学年の子の親と比べて年齢が高い。さらに子供の年齢も考えると、あと10年も共に楽しむことは難しいかもしれない。

    「私には自分のやりたいことを実行する時間だけでなく、家族と過ごす時間も作らなければならない」と思い直すことができた。今まで一人で過ごしたい欲が強かったので、少し反省した。

    誕生日やイベントを企画し、久しく疎遠だった兄や姉も含めて集まる場を作る。兄弟仲が良いとは言えない期間が長く続いていたが、せめて母が楽しそうに笑い、集合写真を撮るその瞬間だけでも、私たちは家族として協力してもいいのではないだろうか。

    親の喜ぶ顔を見ることは、自己中心的な私の中にも温かい感情を呼び起こす。これは単なる消費ではなく、自分自身の心の土台を安定させるための「精神的な投資」だ。もちろん、無理をしてストレスを溜める必要はない。「無理のない範囲」での調整こそが、良好な関係を長く続ける秘訣なのだから。

    行動こそが未来:ジェームズに学ぶ自己成長

    色んな思い出の形がある中で、私はやはり、自分の両親の喜ぶ顔を見るのが好きなのだと思う。

    旅行先でお土産を買っても、素敵な洋服をプレゼントしても、体験という思い出ほど人の記憶に残るものはないだろう。これは、経験(時間)への投資が、物質的なものへの投資よりも大きな幸福をもたらすというポジティブ心理学の原則とも一致している。モノはすぐに価値が減るが、経験は記憶として残り、幸福度を増し続けるのだ。

    あと少しの間、30代でできる最大限のことを実行しよう。
    そのために、自分のための運動であり、勉強であり、そして家族との時間を作り、思い出を増やしていくのが良いかもしれない。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    それは、アメリカの哲学者ウィリアム・ジェームズが遺した言葉だ。

    「未来は、今、あなたの手の中にある。」

    年齢やステージが変わるたびに、人生の設計図も変化する。
    その変化を傍観するのではなく、自ら主体的に行動し、未来という設計図を描き続けることが大切なのである。過去を気に病むのではなく、今、目の前の経験に全力を尽くそう。あなたが今投資した健康と時間が、これからの人生を豊かにしてくれる確かな資産となるだろう。

      HAKU

      30代、地方在住。クリニック勤務。自己肯定感は高いのに超ネガティブ思考、という矛盾の中にいた。私の世界を変えたのは脳科学。「幸せは自分でつくれる」と確信した。ここに綴るのは自分を変えるべく向き合った2025年の行動記録。あなたの「思考の余白」になれば嬉しい。

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