• ネガティブな感情に悩んでいませんか?ブログ「思考の余白」では、脳科学や心理学の知識をヒントに、小さな習慣で自分を好きになる思考法を発信しています。

    Vol.04 ドーパミン依存から脱却する脳科学的アプローチ(1)

    Vol.04 ドーパミン依存から脱却する脳科学的アプローチ(1) 1024 1024 HAKU

    運動を始めたら、今度は脳の仕組みに夢中になった。
    アンデシュ・ハンセン氏の『運動脳』『ストレス脳』など、脳科学や神経科学の本を読み漁った。当時はまだ自分に自信が持てず、本の中に答えや救いを探していたからだ。

    過去のダメな自分を肯定したかったわけではない。

    「どうしてあんな状態だったのか?」「なぜあんな行動をとってしまったのか?」その根本的な理由を知りたかった。脳に操られ、目的もなく、毎日同じことの繰り返し。刺激を求めては、ネガティブな方向ばかり向いていた。そんなイライラしていた日々には、特別な理由があるのではないか。

    そう考え始めた頃だった。

    依存のメカニズム:「意志の弱さ」ではない脳の真実

    快楽の報酬を予測するドーパミンは、私たちを簡単に快楽の虜にするホルモンだ。
    食べること、お酒、ゲーム、買い物、ポルノ。これらの行動でドーパミンは簡単に分泌される。そして、それが繰り返されると、その快楽をまた味わいたいと感じ、何度も同じ行動を繰り返すように脳はプログラムされている。

    私の場合は、毎日のお酒によってドーパミンを分泌する神経回路網が、病的なまでに強固に構築されていることに気づいた。依存とは意志の弱さではなく、脳が過学習によって支配された状態なのだ。この制御不能な行動を、当時の私は「自分の意志が弱いせいだ」と思い込んでいた。しかし、それは単なる思い込みだった。この真実に気づくことこそが、長年の自己嫌悪から解放される鍵となった。

    負のスパイラル:報酬がストレスに変わる瞬間

    しかし、お酒を飲めば飲むほどストレスは増えていった。
    お酒を飲んだあとのデメリットが多すぎて、毎日最悪な気分だった。お酒を飲むとトイレの回数が増え、そのたびに睡眠が中断され、質の高い睡眠がとれない。寝不足はコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を促し、翌日のイライラに直結する。

    脳はお酒を「報酬」と記憶しているため、「ストレスを感じる→飲酒」という負のスパイラルを勝手に作り出す。意志の弱さではどうにもならない、脳の仕組みだったのだ。

    依存は、脳が報酬を過剰に学習し、その報酬がない状態を危険と認識することから始まる。お酒を飲んだ後のデメリット(寝不足、イライラ、後悔)を知っていてもやめられないのは、脳が「生存に必要な行動」だと誤って指令を出しているからだったのだ。

    解放の戦略:メタ認知による代替報酬への習慣化

    この仕組みを理解したことで、お酒という誤った報酬を、運動や学習という健全な報酬に代替すればいいとわかった。このメタ認知こそが、行動変革の第一歩となる。

    今ではたまに夫がお酒を買ってきて、冷蔵庫にストックしていても「私はいらない」とスルーできるようになった。この背景には、「脳に操られていた過去の私には戻りたくない」という強い気持ちがあるのはもちろんのことだ。

      運動や朝の学習が、まさにその代替報酬戦略であり、お酒よりも遥かに高いリターンをもたらしてくれた。

    自己肯定感の獲得:支配から自由へ

    過去の私は、意志の弱さを嘆き、自堕落な生活を何年も続けていた。

    しかし、脳の仕組みという論理を知ったことで、自己否定が自己肯定へと反転した。自分を責める必要はない。必要なのは、正しい知識と、脳を再教育するための行動だ。

    「自分はできないダメなやつだ」と諦めてしまうのはまだ早い。自分がとってしまうネガティブな行動に、まず疑問を持とう。これこそがまさにメタ認知のトレーニングとなる。

    (ドーパミン依存から脱却する脳科学的アプローチ(2)へ続く)

      HAKU

      30代、地方在住。クリニック勤務。自己肯定感は高いのに超ネガティブ思考、という矛盾の中にいた。私の世界を変えたのは脳科学。「幸せは自分でつくれる」と確信した。ここに綴るのは自分を変えるべく向き合った2025年の行動記録。あなたの「思考の余白」になれば嬉しい。

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