vol.11 「ホメオスタシス」を破る習慣化のスイッチとメタ認知術
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目次
- 習慣化の土台:筋トレとアルコールの非効率な組み合わせを避ける
- 行動経済学の応用:習慣化を成功させるスイッチと紐づけ
- 意志力に頼らない:ホメオスタシスとメタ認知の活用
- 行動こそすべて:無駄な思考の余白をなくす戦略
「時間がない。」「疲れることは、極力したくない。」
そう思って、いつも新しい行動を避けて過ごしていた。好きなYouTubeやNetflixは寝る時間を削ってまで観るのに、運動や何かを学ぶことに対しては、暇なくせにその時間を使いたくなかった。
このエネルギーの偏りが、そのままお酒に流れていた。
毎日お酒は飲めるけど、休肝日は1日も作れない。
飲酒後の運動は非効率だと感じていたし、飲まない日を運動に充てる気もなかった。要するに、ゼロ100思考でドーパミンに操られていた過去の私は、何がなんでも運動を拒否していたのだった。そもそも仕事自体肉体労働だというのに、帰ってから身体を動かすなんて、そんな疲れるようなことを誰がやるんだよとさえ思っていた。
しかし、勉強するうちに運動のメリットを痛感することが増えた。
「自分を信じたい」という強い願いと同じくらい、運動が自分に多くの良い影響をもたらすことがわかっていた。だからこそ、とにかくやらなければいけないと心に強く思うように変わっていたのだ。
では、実際にどう習慣化に成功したのか。ここからはその話をしよう。
週に2回はお酒をOKとしていたため、ほとんど週末に飲み会の予定を入れていた。そのためカギとなったのは、飲む約束がほとんどない平日だ。仕事が終わって家に着いた瞬間が、私にとって一番危険な時間帯だった。あの瞬間は、まるで何かの区切りの合図のように、無意識にお酒を求めていた。この習慣的な「一息」をどう排除するかが勝負だった。
習慣化の土台:筋トレとアルコールの非効率な組み合わせを避ける
お酒は週2回まで。その代わり、残りの5日間は「飲まない日」と決めた。
いつしか、仕事と筋トレをセットで考えるようになった。仕事がない日は朝のランニングをすることで、結果として、毎日何かしらの運動をこなすのが当たり前になっていた。ここで最も重要だったのは、筋トレの日にお酒を飲むことは絶対にしないと決めたことだ。
実は、オーストラリアのRMIT大学の研究で、筋トレ後のアルコール摂取が、筋肉の合成(筋タンパク質合成)を最大で37%も抑制することが明らかになっている(出典)。プロテインを飲んだとしても、アルコールがその効果を大幅に妨げてしまうのだ。一方、ランニングの日はお酒を飲んでもOKというルールにした。このように、行動の組み合わせで非効率な結果を避けるように組み立てたのだ。
行動経済学の応用:習慣化を成功させるスイッチと紐づけ
仕事と筋トレを習慣化するために参考にしたのが、戸田 大介氏の『継続する技術』と、齋藤 孝氏の『本当に頭がいい人の思考習慣』という本だ。
『継続する技術』で特に参考になったのは、「楽に動けるタイミングを知る」という点だった。人が最も行動しやすいのは、何か別の行動を起こす前か後だという。例えば、入浴の前に筋トレをする、起床後にランニングをするといった具合だ。
すでに毎日行っている行動の前後に、新しく継続したいことを紐づけておくと、継続率が上がる。さらに、実行時間になったら通知が来るようリマインダーを設置するのが良いとされていた。
私の場合、通知やリマインダーは特に設定しなかった。
シンプルに「18時になったら筋トレをする」と決め、帰宅してから筋トレまでの10分間を準備時間とした。この時間にバナナを食べて水を飲み、インスタグラムで好きな筋トレ&ランニング女子のストーリーズを見ていた。頑張っている人を見て、勝手に勇気づけられる状態を作り、自分を盛り上げ続けた。
そして、『本当に頭がいい人の思考習慣』では「自分がオン状態になれるスイッチを作る」と説かれていた。私は帰宅中に聴いている曲を、筋トレ中に聴くものへと変えた。家に着くまでの間に、徐々にやる気のスイッチを温めながら帰宅したのだ。その結果、「仕事 → 帰宅中の音楽 → バナナと水とSNS → 筋トレ」という流れを作り上げ継続することができた。
意志力に頼らない:ホメオスタシスとメタ認知の活用
新しい習慣を始めると、心の中で様々な声が聞こえてくる。
「今日は疲れたからもういいや」「あー、面倒くさい」「明日頑張ろう」。
そんなネガティブな思考は、実は脳が安定を求めて発している信号だ。脳は変化を嫌い、いつものパターンに留まろうとする。ここで大切なのが、その声に耳を傾けすぎないこと。「そういう風に考えている自分がいるな」と客観的に認識するだけでいい。
そうすることで、感情に振り回されず、冷静に状況を判断できる。ホメオスタシスが働いている状態を、メタ認知することで楽になる。この思考法こそが、「意志力」だけに頼らない習慣化の鍵だ。
結局のところ、根性論ではどうにもならないのが人間というわけだ。
行動こそすべて:無駄な思考の余白をなくす戦略
新しい習慣を邪魔するのは、ネガティブ思考が働く「暇な時間」だ。私はそのネガティブな時間が何分も何時間も続くタイプだったので、筋トレをサボりたくなるような暇な時間を、徹底的になくすよう心がけた。
仕事が終わったら筋トレ、仕事がない日の朝はランニングといったように、行動の前に余計なことを考える余地を与えない。こうすることで、ダラダラする時間を遮断する。
「あと30分後、1時間後にやろう」と考えても、時間が近づくほど実行したくなくなるのが人間の脳だ。思考を遮断するイメージで、嫌だなと思ったらすぐに行動に移す。脳内に「面倒くさい」が蔓延する前に、行動でネガティブ思考を食い止めるのだ。
最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
これは、哲学者ジャン=ポール・サルトルが遺した言葉だ。
「人間とは、自分の行動の相である」
あなたがどういう人間であるか、どんな人間になるかは、頭で考えていることや理想ではなく、あなたが意識的に「何をするか」という行動の総体によって決まる。つまり、「ランニングを習慣にしたい」と願うことではなく、「今、玄関のドアを開けて外に出る」という行動の選択こそが、未来の自分を形作るのだ。
無駄な思考の余白を埋め、まずは行動でスイッチを入れよう。
あなたの望む幸せは、いつだって、あなたの次の「一歩」にかかっている。
HAKU
30代、地方在住。クリニック勤務。自己肯定感は高いのに超ネガティブ思考、という矛盾の中にいた。私の世界を変えたのは脳科学。「幸せは自分でつくれる」と確信した。ここに綴るのは自分を変えるべく向き合った2025年の行動記録。あなたの「思考の余白」になれば嬉しい。
All stories by: HAKU
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