• ネガティブな感情に悩んでいませんか?ブログ「思考の余白」では、脳科学や心理学の知識をヒントに、小さな習慣で自分を好きになる思考法を発信しています。

    習慣化

    vol.10 「ワーキングマザーの習慣化」現状維持の壁を破る短期集中の行動哲学
    vol.10 「ワーキングマザーの習慣化」現状維持の壁を破る短期集中の行動哲学 1024 1024 HAKU

    私は今、「ゼロ100思考」という自らの特性と向き合っている。
    産後、2つの資格(当時働いていた職場で活かせる植物系の資格と、今の仕事で使う医療系の資格)を取得したのだが、その過程は常に極端だった。

    「ゆっくりマイペースで勉強しよう」なんて考えは全くない。
    目標は最短での取得。取れないならやらない。取れないかもしれないなんて、そもそも考えない。やるからには必ず合格してみせる。そんな私を見て、夫がよく言うツッコミを思い出す。「また出たよ、ゼロ100思考!」。それでいい。ゼロだろうがヒャクだろうが、短期間で集中して挑まねば、資格取得は不可能なものだと私は理解できている。

    なぜ「短期」という言葉に、こんなに魂を燃やす必要があるのか?
    それは私のライフスタイルに密接に関わっている。

    ワーキングマザーとホメオスタシスの壁

    今は子育て中の身で、とにかく時間がない。
    子供が少し手を離れたかなと思っても、全くそんなことはない。

    子供が「怖い夢を見た」と夜中にグズグズしながら起きた時に、その理不尽な理由で起こされるのは毎回私で(夫は別室で寝ている。それを望んだのは私だが、腹が立つ)、学校で食べるお弁当を、朝早く起きて仕事に行く前に作るのも私なのだ(夫も学校の連絡アプリを入れているけど、お弁当の日さえ知らない)。

    色んな理由で起きる日々のタスクが多すぎて、自分のやりたいことを実行する為に使える時間が圧倒的に足りないのである。仕事で使える取得したいスキルという「正当な理由」があったとしても、自分の時間を増やすのは本当に難しい。

    おそらく、行動する前にホメオスタシスも全力で働いていたのだろう。

    そんな時、会ったこともない地獄の閻魔様に、こんな風に凄まれるのを想像してしまう。

    「では2ヶ月以内に資格を取得できるのであれば、勉強をスタートさせなさい。ただし仕事や家事、休日の家族とのお出かけも今まで通りやった上で、その隙間で時間を作れるのであればやってみなさい。あなたがやりたいことなので、家族を犠牲にしてまで時間を作ろうなどと思わないように。期間内に資格を取得できなければ…..あなたの舌を抜きますよ?」

    閻魔が舌を抜くなんて、あまりにも非現実的な妄想に「はい、承知いたしました…」とドキドキしながら、目を合わせず答える私がいる。完全に妄想の中での話なのだが、ある意味現実的でもある。

    とにかく時間がない中で、短期間で集中することが求められる。
    そしてその行動を、なぜやらなければいけないのか、家族に説明する必要も出てくる。「資格の勉強をしてくるから、図書館に行ってくる。これは仕事で使う大事な資格だから、勉強が終わるまで家には帰れない。その間、子供の世話と家のことよろしく」なんて、思っても口が裂けても言えない。あくまで私は「資格を取らせていただく側」なのだ(…なんで?)。

    少し前置きが長くなってしまったが、幸いにも資格は何とか期間内に無事に取り終えた。今回のこと以外にも、子育て中の親(特に母)にとって、「終わりよければ全て良し」としなければ、腑に落ちない問題が山ほどあるのだ。

    短期集中と最少行動量の科学的根拠

    そんな時期を終え、また波がやってきた。
    健康やメンタルに良いと、自己流で始めた運動や筋トレだ。資格取得とは種類が異なり、やった分だけ身になる分野の行動である。

    毎日どんなトレーニングが良くて、何が自分に合うのかを、得意の短期集中ルートで探し続けた。パーソナルに通っていたわけではないので、メニュー作りには一番苦労した。教科書のない問題を解くのは初めてだったので、何が正解か全くわからなかった。

    プロからすると、1ヶ月で効果が出るものなどないし、そもそもそんな考え方はやめた方がいいと言われるかもしれないが、こんな科学的データもある。

    早稲田大学などの研究でわかったのは、わずか40秒間だけでも、全力で動くトレーニングをすれば、全身の筋肉が大きく活動し、十分な効果を生む「最少の時間」があるということだ(出典)。また、筋トレ初心者は、筋肉が刺激に慣れていない分、短期間で効果が出やすいことも知られている。私は独断と偏見を可能な限り使い、とにかくやってみた。

    その中で1週間で効果がでたものがあった。それは冨永愛さんのカエル脚腹筋だ。最初は辛かったが、数日で効果が出たのでモチベーションが上がり、毎日続けることができた。それ以外のトレーニングで1ヶ月間効果が出なかったものは切り捨て、ジムのトレーナーがお勧めするものなど、信憑性のある人の発信で本当に効きそうなものだけを試し続けた。

    自分だけの最短ルートメニューを作り、毎月メニューの見直しと更新を行い続けた結果、3ヶ月で友人や家族から「痩せたね」と言われるほど、ボディラインが変わっていた。

    成長マインドセット:失敗を恐れない軌道修正

    牛尾 剛氏の『世界一流エンジニアの思考法』という本には、「検討するより早く失敗した方がいい」と書かれている。挑戦→失敗→振り返り→修正。このサイクルが早いほど価値があるようだ。私も渦中はこの考え方だった。まず、身体機能的にこのトレーニングができるかどうか、試すところから始めた。身体の変化に出にくいものは切り捨て、何が悪かったのかフィードバックし、トレーニングメニューを修正する。

    安全を考慮しつつ、私は筋トレの内容を妥協せず、成果に繋がることだけをやりたかった。なぜなら、できるものだけを何となく続けるのは意味がないと思っていたからだ。

    ちなみに参考にしなかったのは、妊娠中の体重を含めたであろう「⚪︎ヶ月で20kg減量」という発信だ。出産経験がある私からすれば、妊娠前の体重ではなく、子供がお腹にいる状態の増加分まで含めた数字を基準として成果とするのは、フェアではない。そうした信憑性に欠ける発信は、意識的にシャットアウトしていた。

    何を考え、どれを参考にするかは人それぞれだが、正しい情報を選び、適度にフィードバックして修正していく。これも継続する上で必要な考え方だと私は思う。

    継続の本質:行動哲学と自己肯定感

    筋トレを習慣化する上で大切なのは、まず負荷をかけず行動すること。
    そして、どんなに小さくても身体の変化を見つけること。その繰り返しが、やがて確かな自信となる。できないものに執着しなくてもいい。自分で決めた期間内に効果がないなら手放してもいい。

    私の行動がすべて正解だとは思わないが、間違ったやり方を何ヶ月も続けるよりも潔いのではないだろうか。短期間で集中してやる資格取得のためではないので、間違っていたなと思ったらすぐに軌道修正ができるのが、筋トレを含め、体を動かす運動が持つ最大のメリットだと思う。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    これは、イギリスの自然科学者、チャールズ・ダーウィンが遺した言葉だ。

    「強いものが生き残るのではない。変化できるものが生き残るのだ。」

    このダーウィンの言葉こそ、あなたの短期集中・軌道修正の哲学を最もよく表している。変化を恐れず、常に実験を繰り返す行動が、人生の答えを導くのだ。積み重ねられた行動データこそが、誰にも奪われない自信となる。

    vol.11 「ホメオスタシス」を破る習慣化のスイッチとメタ認知術
    vol.11 「ホメオスタシス」を破る習慣化のスイッチとメタ認知術 150 150 HAKU

    「時間がない。」「疲れることは、極力したくない。」

    そう思って、いつも新しい行動を避けて過ごしていた。好きなYouTubeやNetflixは寝る時間を削ってまで観るのに、運動や何かを学ぶことに対しては、暇なくせにその時間を使いたくなかった。

    このエネルギーの偏りが、そのままお酒に流れていた。
    毎日お酒は飲めるけど、休肝日は1日も作れない。

    飲酒後の運動は非効率だと感じていたし、飲まない日を運動に充てる気もなかった。要するに、ゼロ100思考でドーパミンに操られていた過去の私は、何がなんでも運動を拒否していたのだった。そもそも仕事自体肉体労働だというのに、帰ってから身体を動かすなんて、そんな疲れるようなことを誰がやるんだよとさえ思っていた。

    しかし、勉強するうちに運動のメリットを痛感することが増えた。
    「自分を信じたい」という強い願いと同じくらい、運動が自分に多くの良い影響をもたらすことがわかっていた。だからこそ、とにかくやらなければいけないと心に強く思うように変わっていたのだ。

    では、実際にどう習慣化に成功したのか。ここからはその話をしよう。

    週に2回はお酒をOKとしていたため、ほとんど週末に飲み会の予定を入れていた。そのためカギとなったのは、飲む約束がほとんどない平日だ。仕事が終わって家に着いた瞬間が、私にとって一番危険な時間帯だった。あの瞬間は、まるで何かの区切りの合図のように、無意識にお酒を求めていた。この習慣的な「一息」をどう排除するかが勝負だった。

    習慣化の土台:筋トレとアルコールの非効率な組み合わせを避ける

    お酒は週2回まで。その代わり、残りの5日間は「飲まない日」と決めた。

    いつしか、仕事と筋トレをセットで考えるようになった。仕事がない日は朝のランニングをすることで、結果として、毎日何かしらの運動をこなすのが当たり前になっていた。ここで最も重要だったのは、筋トレの日にお酒を飲むことは絶対にしないと決めたことだ。

    実は、オーストラリアのRMIT大学の研究で、筋トレ後のアルコール摂取が、筋肉の合成(筋タンパク質合成)を最大で37%も抑制することが明らかになっている(出典)。プロテインを飲んだとしても、アルコールがその効果を大幅に妨げてしまうのだ。一方、ランニングの日はお酒を飲んでもOKというルールにした。このように、行動の組み合わせで非効率な結果を避けるように組み立てたのだ。

    行動経済学の応用:習慣化を成功させるスイッチと紐づけ

    仕事と筋トレを習慣化するために参考にしたのが、戸田 大介氏の『継続する技術』と、齋藤 孝氏の『本当に頭がいい人の思考習慣』という本だ。

    『継続する技術』で特に参考になったのは、「楽に動けるタイミングを知る」という点だった。人が最も行動しやすいのは、何か別の行動を起こす前か後だという。例えば、入浴の前に筋トレをする、起床後にランニングをするといった具合だ。

    すでに毎日行っている行動の前後に、新しく継続したいことを紐づけておくと、継続率が上がる。さらに、実行時間になったら通知が来るようリマインダーを設置するのが良いとされていた。

    私の場合、通知やリマインダーは特に設定しなかった。
    シンプルに「18時になったら筋トレをする」と決め、帰宅してから筋トレまでの10分間を準備時間とした。この時間にバナナを食べて水を飲み、インスタグラムで好きな筋トレ&ランニング女子のストーリーズを見ていた。頑張っている人を見て、勝手に勇気づけられる状態を作り、自分を盛り上げ続けた。

    そして、『本当に頭がいい人の思考習慣』では「自分がオン状態になれるスイッチを作る」と説かれていた。私は帰宅中に聴いている曲を、筋トレ中に聴くものへと変えた。家に着くまでの間に、徐々にやる気のスイッチを温めながら帰宅したのだ。その結果、「仕事 → 帰宅中の音楽 → バナナと水とSNS → 筋トレ」という流れを作り上げ継続することができた。

    意志力に頼らない:ホメオスタシスとメタ認知の活用

    新しい習慣を始めると、心の中で様々な声が聞こえてくる。
    「今日は疲れたからもういいや」「あー、面倒くさい」「明日頑張ろう」。

    そんなネガティブな思考は、実は脳が安定を求めて発している信号だ。脳は変化を嫌い、いつものパターンに留まろうとする。ここで大切なのが、その声に耳を傾けすぎないこと。「そういう風に考えている自分がいるな」と客観的に認識するだけでいい。

    そうすることで、感情に振り回されず、冷静に状況を判断できる。ホメオスタシスが働いている状態を、メタ認知することで楽になる。この思考法こそが、「意志力」だけに頼らない習慣化の鍵だ。

    結局のところ、根性論ではどうにもならないのが人間というわけだ。

    行動こそすべて:無駄な思考の余白をなくす戦略

    新しい習慣を邪魔するのは、ネガティブ思考が働く「暇な時間」だ。私はそのネガティブな時間が何分も何時間も続くタイプだったので、筋トレをサボりたくなるような暇な時間を、徹底的になくすよう心がけた。

    仕事が終わったら筋トレ、仕事がない日の朝はランニングといったように、行動の前に余計なことを考える余地を与えない。こうすることで、ダラダラする時間を遮断する。

    「あと30分後、1時間後にやろう」と考えても、時間が近づくほど実行したくなくなるのが人間の脳だ。思考を遮断するイメージで、嫌だなと思ったらすぐに行動に移す。脳内に「面倒くさい」が蔓延する前に、行動でネガティブ思考を食い止めるのだ。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    これは、哲学者ジャン=ポール・サルトルが遺した言葉だ。

    「人間とは、自分の行動の相である」

    あなたがどういう人間であるか、どんな人間になるかは、頭で考えていることや理想ではなく、あなたが意識的に「何をするか」という行動の総体によって決まる。つまり、「ランニングを習慣にしたい」と願うことではなく、「今、玄関のドアを開けて外に出る」という行動の選択こそが、未来の自分を形作るのだ。

    無駄な思考の余白を埋め、まずは行動でスイッチを入れよう。
    あなたの望む幸せは、いつだって、あなたの次の「一歩」にかかっている。

    vol.15 行動を加速させる「言語化」で習慣化を成功させる方法
    vol.15 行動を加速させる「言語化」で習慣化を成功させる方法 HAKU

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    職場のDr.から運動の必要性や、実行した結果のポジティブな効果について具体的に教わっていた。しかし、私は「へぇ、そうなんですね」と、どこか他人事のように聞き流すことを1年も続けてしまっていた。行動の必要性は頭では理解しているのに、何からすべきか分からない。その思考が、私をずっと立ち止まらせていた。

    そんな中、仕事中に行動を言語化することの重要性を痛感した出来事があった。それは、ふとした瞬間に職場のスタッフに「筋トレと有酸素運動の違いって何ですか?」と質問された時だった。頭の中にイメージはあったものの、論理的に言葉で説明できなかった。「筋トレは筋肉をつける運動で、有酸素は歩いたり走ったりする運動かな」と、普通すぎる答えしか返せなかった。

    この時の私は、すでに筋トレやランニングを始めていたにもかかわらず、これほど簡潔な回答さえできない自分が恥ずかしく思えた。

    質問に答えたものの、仕事を終え帰ってからも自分の中で腑に落ちないモヤモヤが残った。私は昔から人に説明することが大の苦手で、話した後に相手に伝わっていないことを察するたびに、自己嫌悪に陥るタイプの人間であることを思い出してしまった。

    そこで、帰宅後すぐにインターネットや本で筋トレと有酸素運動の違いに加え、それぞれのメリットを調べ、専門用語を避けて誰が見てもわかるよう手書きのメモにまとめ、それを翌日そっと彼女に渡したのだった。

    「なんとなく」を言語化する力

    この行動は、彼女のためだけではなく、私自身のためでもあった。

    ぼんやりしていた知識を、言葉にすることでハッキリと整理され、頭の中にちゃんと定着する感覚があった。つまり、誰かに教えるというアウトプットが、新しく知った情報というインプットを、もっとしっかり覚える手助けをしてくれたのだ。そして、この経験がきっかけで、私は運動や脳科学の学びをノートにまとめる習慣を始めた。これは、メタ認知(自分を客観視する力)を高めるのにも役立ったと思う。


    行動と知識の習慣化ループ

    「誰かに何か聞かれたときに、すぐに答えられるようになりたい。」

    この気づきが、私を動かす原動力になった。得意なことをただ頭で理解するだけでなく、人にわかりやすく説明できるほど深く知る。この決意が、私にとっての自己成長の大きな一歩になった。

    行動すると知識が増えて、知識が増えるとまた行動したくなる。
    この好循環が、私の脳内をどんどん変えていった。

    朝の時間を使い、本や動画で学んだ内容を、自分の言葉で表現する練習を繰り返した。この習慣のおかげで、考えがまとまり、仕組みを理解できるようになった。それから「自分は説明できる」という自信もついてきた。これは、認知行動療法の核となる「思考→行動→感情」の良いループが機能し始めた証と言えるだろう。


    言語化が自己成長と思考に開く道

    この経験から、私は確信した。言葉にする力は、コミュニケーション能力の向上だけではない。自分自身の考えを明確にし、自信に繋がるための強い力となる。「なんとなく」を言語化することで、行動の理由が明確になり、より建設的な選択が可能になる。そして、それが次の行動へと力強くつながっていくのだ。

    このブログは、私自身が学びを深めるための「アウトプットの場」でもある。
    自分の過去の経験や、そこから学んだことを言葉にすることで、私自身がもっと深く自分を理解し、成長を感じられるようになった。そして、その気づきを皆に伝えることで、同じように悩んでいる誰かの役に立てるとしたら、それに勝る喜びはない。


    あなたの成長を加速させるヒント

    もし、あなたの中に「なんとなく」とか「モヤモヤ」した気持ちがあるなら、それを言語化するところから始めることを勧めたい。ノートに書き出してもいいし、信頼できる誰かに話してみるのもいい。言葉にすることで、その「なんとなく」の正体が明らかになり、次の行動が驚くほど明確に見えてくるようになる。

    知識を得るだけでなく、それを誰かに伝えられるレベルまで深く理解すること。
    この意識を持つだけで、あなたの学びの質は格段に向上する。それは、あなたが自身の人生のあらゆる領域で、より良い判断を下すための、確かな指針となるはずだ。

    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    これは、ドイツの詩人・劇作家であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが遺した言葉だ。

    「知識だけでは十分ではない。それを適用しなければならない。意欲だけでは不十分ではない。それを実行しなければならない。」

    行動を続けながら、言葉で「思考の余白」を埋めていくこと。
    それが、あなたの人生の意欲を実行へと変える前向きな習慣になっていく。あなたの成長は、あなたの行動、そして言語化の積み重ねの先にも必ず存在する。

    vol.18 「完璧主義」を乗り越える女性ホルモンに負けない継続術
    vol.18 「完璧主義」を乗り越える女性ホルモンに負けない継続術 150 150 HAKU


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    行動し始めてから2週間も経つと、今度は逆に「今やっていることをやめられない」と強く感じるようになっていった。さらには、「やらないと気持ち悪い」と脳が変化した。

    特に生理前はイライラして、帰宅後の筋トレがいつも以上に面倒に思えた。生理が始まったら始まったで、今度は食べ物のことばかりで頭がいっぱいになり、毎月女性ホルモンに振り回されては、決壊しそうな自分を必死に繋ぎ止めることを、月の半分ほど強いられていた。

    「生理前だから仕方ない」「生理中だから好きなだけ食べてしまえ」と考えるのは、過去の自分、つまり休肝日がなかったあの頃に戻ってしまう。毎月来るものだからこそ、行動を止めないため、その日の気分や体調を手帳に記録し続けた。

    完璧主義と女性ホルモンが作る習慣化の最大の壁

    行動を始めた当初は、毎日すべてを完璧にこなそうとしていた。
    しかし、体調や気分に左右される日々の中で、私のような完璧主義者はすぐに壁にぶつかることになった。特に女性ホルモンに振り回される周期は、自分の意志とは関係なく、身体の不調から行動がそのものがストップしてしまいそうになる最大の壁だった。

    そこで私は、習慣化するまで自分なりにルールを作った。それは、気分が乗らなくても1日1個は、3つの選択肢の中から選んでやるということだった。

    3つの選択肢とは、①勉強、②朝ランニング、③筋トレである。

    行動経済学の応用:「止まらない」ためのサブルール

    習慣化しようとしている最中に、胃腸炎になり体調を崩した日もあった。そんな日は無理をせず、身体に負担がかからなそうなこの3つの選択肢の中から「勉強する」を選んだ。

    生理が重い日には、「上半身の筋トレを10分だけして、今日はここまで」と思うようにした。胃腸炎になった日も筋トレをしてみたのだが、腹筋中にだんだん胃がモヤモヤしてきたので、すぐに切り上げた(我ながら、真面目すぎて笑えてくる)。

    土日は朝ランニングをする日でもあり、お酒を楽しむ日でもある。「生理中でも、軽いランニングは血行改善や生理痛の緩和に繋がる」という記事を読んだので(参照)、そういった日はペースを落として無理なく走るようにしていた。

    このように、何もしない日を1日も作らないようにした。どうしてもできない場合は、3つの選択肢から出来そうなものを1つ選んでやる。出来そうなことだけやればいい。難しければ時間や内容を変えても良い。

    結果として「今日も行動し続けられている」と思えるように、自分の中でサブルールを作って選択肢を増やしたのだ。この方法は、元ゴールドマンサックスの田中渓氏の行動からもヒントを得た。彼も朝の選択肢を作り、その中から行動しているようだ(日常では、25kmランニング、60kmバイク、7000mスイムのいずれかを毎日行うという)。

    継続のための「柔軟な思考」と小さな行動の価値

    そこで、頭でっかちの私にぴったりの本を見つけた。外山 滋比古氏の『やわらかく考える』という本だ。その本に書かれていた「動き続ける」というメッセージが、私の心に深く響いた。人間は行動し続けることをやめてしまったら、そこで成長が止まってしまう。そして、やめてしまった途端、活力をどんどん失い、腐っていく。

    たとえば、今日からスクワットを1日1回始めてみる。あるいは、1ページ多く本を読み進める。

    大切なのは、毎日「動く」ことだ。それが今、私には3つの選択肢として存在している。1日1個だけの日もあれば、2個行動できる日もある。それでいい。「自分は今、毎日行動し続けている」と、実感することが大切なのだ。

    これは、生理や体調不良といったコントロールできない外部要因に振り回されず、自分のペースで成長を続けるための、私なりの解決策だ。完璧を目指すのではなく、どんな日でも「自分は行動を止めていない」という事実に目を向ける。それが、ストレスを溜めずに習慣を定着させ、未来を創るための、建設的な方法だと実感している。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。
    それは、古代ローマのストア派哲学者セネカが遺したこんな言葉だ。

    「困難なのは始めることではなく、続けることである。」

    完璧を目指すあまり、立ち止まってしまうのはもったいない。 大切なのは、100点満点の日をたまに作ることではなく、どんな日も「0点」にしないこと。完璧ではなくても、柔軟な心で継続すれば、必ず未来は変わる。

    揺れ動く自分をまるごと受け入れて、今日もまた、小さな一歩を。

    vol.22 「悪い習慣」を断つ!ドーパミンとミラーニューロンで習慣化を成功させる方法
    vol.22 「悪い習慣」を断つ!ドーパミンとミラーニューロンで習慣化を成功させる方法 150 150 HAKU

    誰にでも、「やめたい」と思っているのに、どうしてもやめられない習慣があるはずだ。
    私にとってのそれは、食べ過ぎ、度を越したお酒、そして終わりのないSNSのスクロール。 欲望を極限まで満たしたはずなのに、あとに残るのは心地よい充足感ではなく、冷え切った自己嫌悪と、出口のないモヤモヤだけだった。

    頭ではダメだとわかっているのに繰り返してしまうのは、脳の「ドーパミン」が大きく関係している。ドーパミンは、何かを達成した時や快感を感じた時に分泌され、その行動を「報酬」として脳に強く記憶させる。その結果、悪い行動も含め私たちはその快感を再び求め、行動に依存し、自分のことが嫌いになっていく。

    しかし、このループから抜け出すことは可能だった。

    悪い習慣:人生のエネルギー漏れを塞ぐ行動経済学

    スコット・アラン氏の『GREAT LIFE 1度しかない人生を最高の人生にする方法』という本を読んで、ハッとさせられた。私たちは日々、膨大なエネルギーを消費して生きている。そんな中、悪い習慣を断つことは、決して自分を律するだけの苦行ではないのだ。

    悪い習慣とは、人生というバケツに開いた「穴」そのもの。せっかく貯めたエネルギーが、知らぬ間にそこから漏れ出している。 この「穴」の正体が、意志の弱さではなく脳のドーパミンというシステムにあると知ったとき、視界が一気に開けた。

    こうした脳の仕組みを味方につけて、私は一つひとつ、自分の「悪い習慣」を解体していくことにした。

    まずは、食べ過ぎについて。ストレスが溜まると、無性にジャンクフードやスイーツに逃げたくなる。ボトムスのボタンを外すほど食べてしまった後、あとに残るのはただ重たい自己嫌悪だけだった。生理前の抗えない衝動は、幾度となく私の決意を無力化させてきた。

    だからこそ、力ずくで自分を縛るのはもうやめた。「絶対に食べない」という禁止は、かえってその食べ物への執着を深めてしまう。脳の仕組みを考えれば、それは戦略ミスでしかないと気づいたから。

    身体に良いものなら、たまには食べ過ぎてもいい。 ジャンクフードや激辛料理は「3ヶ月に一回の贅沢」として、あえて「ゆるい余白」を作る。自分を厳しく律するのではなく、手綱を緩めながら賢く付き合っていく。

    次に、SNSとの付き合い方になる。今までは朝起きてすぐにスマホを手に取り、SNSのタイムラインをただスクロールする日々だったが、その代わりに体を起こしてコップ一杯の水を飲み、軽いストレッチや運動に充てるようにした。

    他人の華やかな日常と自分を無意識に比較し、時にはネガティブな動画に心を削られる。そんな情報のノイズで疲弊するのをやめた。

    特に、この「入れる情報を選ぶ」という意識。これが私の毎日をガラッと変える大きなきっかけになった。

    寝る前のひとときも、SNSの内容を「自分のモチベーションを押し上げてくれる投稿」だけに絞った。徹底的に情報の取捨選択を行うことで、私の脳は少しずつ、前向きなエネルギーを取り戻していった。

    モチベーションの科学:ミラーニューロンが習慣化を加速する

    寝る前に見ていたのは、毎日努力を続ける2人、kento_lifeworkさんとkidou_vlogさんのアカウントだった。

    彼らのひたむきな姿を見て、やりたいことをやるために、今ある時間を有効的に使おうと強く決意した。この情熱を失わないため、やる気がない時ほど彼らの投稿を見るようにした。それが、私のモチベーションを常に維持してくれる、最高の燃料となった。

    そしてもう一人。気づくとつい目で追ってしまうのが、@jiajiaさんの投稿だった。運動、学び、遊び、ワインやピザを楽しむことなど、彼女が生き生きと人生を謳歌している姿を見ると、自分の心も元気になる。自分よりもずっと年下の彼女から、沢山のポジティブなエネルギーをもらっていた。

    実はこれ、脳科学的に理由がある。

    人間の脳には「ミラーニューロン」という神経細胞がある。これは、他人の行動を見たときに、まるで自分がその行動をしているかのように反応する不思議な細胞だ。誰かが頑張っている姿を見ると、自分の脳も「頑張ろう!」という信号を出すようにプログラムされているらしい。

    つまり、活動の前に彼らの投稿を見ることは、自分の脳にとって「目標達成」のための予行練習になっていたのだ。彼らのポジティブなエネルギーを、無意識のうちに自分のものに変えていた。

    こうした意識を続けるうちに、早く休んで明日に備えようという気持ちが自然と芽生えるようになった。その結果、「今すぐ寝よう!」「今から始めよう!」と、行動への切り替えが格段に速くなり、毎日早めの睡眠を意識する生活が、徐々に定着していった。

    小さな習慣が自己肯定感と自信を創り出す仕組み

    悪い習慣をなくすことは、決して苦行ではない。それは、人生をよりスムーズに、豊かにするための戦略的なメンテナンスのようなものだ。

    自分を信じて行動し続けるために、悪い習慣を見つけ出し、少しずつでいいから変えていく。その積み重ねが、やがて大きな自信となる。


    最後に、私自身がこの習慣を続ける上で大切にしている言葉を一つ贈りたい。 
    それは、古代ギリシアの哲学者ソクラテスが遺した、こんな言葉だ。

    「満たされない欲望を追求しつづける生活は、網の破れたバケツに水を汲み続けるようなものだ。」

    悪い習慣は、心の穴を埋める一時しのぎの行為だ。 その穴を塞ぎ、自分のやりたいことという名のバケツを満タンにするために、今日からできる小さなことを見つけて始めてみよう。

    あなたにとって、成長を妨げている「悪い習慣」は何だろう?